一般財団法人環境イノベーション情報機構
東芝・トヨタ自動車など、風力発電で製造した水素で動くフォークリフトの実証開始
【エネルギー 燃料電池】 【掲載日】2016.03.16 【情報源】企業/2016.03.14 発表
東芝、トヨタ自動車、岩谷産業は、風力発電で製造した水素を燃料電池フォークリフトに供給する実証を神奈川県、横浜市、川崎市とともに両市で始める。電動やガソリンフォークリフトのサプライチェーンと比べ、CO2排出量が80%以上削減できる。将来の普及展開モデルを見据え、実証を通してコスト試算やCO2削減効果を検証する。横浜市神奈川区の「横浜市風力発電所(ハマウィング)」の敷地内に、水を電気分解してCO2を排出することなく水素を製造し、貯蔵・圧縮するシステムを整備する。製造した水素は簡易水素充てん車で運ぶ。この水素を、横浜市や川崎市の青果市場や工場、倉庫に導入する燃料電池フォークリフトで使うサプライチェーンを構築し、秋ごろから試験的に運用する。
今秋に2施設・計2台の燃料電池フォークリフトで始め、2017年度からの本格運用で4施設・計12台にする。水素製造では、変動する風力発電量と水素需要の時間差を考慮して、設備を最適に運転する管理システムで、柔軟に水素をつくる。蓄電池システムには、ハイブリッド車の使用済み電池を再利用する。安定的に供給するため、2日分の水素を貯蔵する。
燃料電池フォークリフトを試験運用する施設はそれぞれ条件が異なり、さまざまな実証が可能だ。コスト評価から量産体制の整備、必要な規制緩和項目など、水素価格が低下する将来を見据えての対応策や、2030年ごろに向けた技術革新、サプライチェーンの大規模化による普及の可能性などを調べる。CO2排出削減は、試算の80%以上を上回る取り組みを検討する。【(株)東芝】