一般財団法人環境イノベーション情報機構
東レ、炭素繊維のリサイクルを豊田通商と推進、消費燃料を低減する製造技術を実証
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2016.02.25 【情報源】企業/2016.02.18 発表
東レは、炭素繊維のリサイクルを豊田通商と共同で推進する。両社の提案が国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の2015年度「戦略的省エネルギー技術革新プログラム」に採択された。工場に実験用生産設備を建設して、消費燃料を低減するリサイクル炭素繊維の製造技術を実証すると同時に、用途の開発を進める。提案は「革新省エネルギー熱分解法による高効率リサイクル炭素繊維製造技術の開発」で、炭素繊維リサイクルで消費燃料が最も多い熱分解工程の燃料低減を目指す。熱分解は炭素繊維複合材料を加熱し、含まれる“マトリックス樹脂”を分解して炭素繊維を回収する方法だ。同樹脂の可燃性分解ガスを燃料にする方法を開発する。
東レと豊田通商は、豊田通商100%子会社で、産業廃棄物の中間処理や再資源化およびリサイクル事業を手掛ける豊田ケミカルエンジニアリングの半田工場(愛知県半田市)内に、事業化を見据えたパイロット設備を設ける。エネルギー消費を抑えてリサイクル炭素繊維を製造する技術の確立に向けて実証を行う。併せてリサイクル炭素繊維の用途も開発する。
炭素繊維は自動車や航空機を軽量化して燃費性能を高められ、CO2排出が大幅に低減できることから需要が拡大している。それに合わせて炭素繊維リサイクルのニーズも高まり、両社は製造技術を実証する。技術や用途の開発は、部材や部品に関する、顧客との検討が重要になる。東レと豊田通商は両社の知見やノウハウを活用して取り組んでいく。【東レ(株)】