一般財団法人環境イノベーション情報機構
日立製作所、低濃度バイオエタノール燃料で発電する高効率発電システムを試作
【エネルギー その他(エネルギー)】 【掲載日】2016.02.10 【情報源】企業/2016.02.10 発表
日立製作所は、低濃度のバイオエタノール(生物資源から製造するエタノール)燃料で発電する高効率の発電システムを試作した。発電機のエンジンは、排熱を利用して低濃度バイオエタノールで水素を発生させ、水素と低濃度バイオエタノールを燃焼して動力変換効率を高める。40%の低濃度のため危険物として扱う必要がなく、安全が確保できる。沖縄県宮古島市の一般社団法人宮古島新産業推進機構(MIIA)とともに開発した。低濃度のバイオエタノールは、宮古島産のサトウキビ由来の廃糖蜜を宮古島原生の酵母で発酵させた後、蒸留して製造する。従来の方法と比べ、発酵条件の最適化などによって製造のエネルギーが約40%削減できる。低濃度のバイオエタノールは水を大量に含んでいる。
一般的な発電機のエンジンが、全体の約40%にあたる熱エネルギーを使うことなく排気していることに着目した。エンジン排気管部に低濃度バイオエタノールと触媒を反応させる高温の反応室を設け、効率的に水素を発生させられるようにした。水素と、反応室を通らない低濃度バイオエタノールを高圧力で燃焼させることで、高い動力変換効率が得られる。
40kWの発電システムで実証実験したところ、濃度40%のバイオエタノール燃料で動力変換効率45%を実現した。バイオエタノールは濃度90%以上が主に自動車燃料に利用されているが、低い濃度で安全性を確保しながら発電の分野に用途を広げられるようになる。今後、CO2排出量の削減効果が大きい地域分散型発電の実用化に向けて研究を進める。【(株)日立製作所】