一般財団法人環境イノベーション情報機構
ヤマト運輸、路線バスを活用した宅配便輸送を岩手県で開始、CO2排出量を低減
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2015.06.08 【情報源】企業/2015.06.03 発表
ヤマト運輸は6月3日、路線バスを活用した宅配便の輸送を岩手県で始めた。物流の効率化とバス路線の生産性向上によって、物流網とバス路線網の双方の維持を主な目的にしている。荷物の輸送をトラック運行から路線バスに切り替えることで、CO2排出量を低減する。後部座席を荷台スペースにした新開発のバスを使い、貨客混載で運行する。岩手県北部の路線と盛岡市が起点の都市間路線を展開する岩手県北自動車(岩手県北バス、盛岡市)と連携する。盛岡市−宮古市の路線と宮古市内から重茂半島を結ぶ路線に導入した。ヤマト運輸はこれまで、同県北上市の物流ターミナルから大型トラックで宮古営業所に幹線輸送し、同営業所から約18kmの重茂半島まで集配車両で運んでいた。
この取り組みでは、物流ターミナルから宮古営業所までの運行途中にある営業所まで、大型トラックで幹線輸送する。主に重茂半島行きの荷物を盛岡市−宮古市のバスに積み替えて宮古営業所まで運び、同営業所から重茂半島まで路線バスで輸送する。従来トラックで運行していた区間の一部を路線バスにするためCO2排出量が抑制できる。
ヤマト運輸の重茂半島担当ドライバーは宮古営業所まで荷物を取りに行く必要がなくなり、効率が向上する。貨客混載のバスは、一定量の荷物を積めるように車両後方の座席を減らして荷台スペースを確保した。荷台スペースに専用ボックスを搭載してその中に入れる。路線バスの空きスペースで荷物を運んで生産性を高め、路線網の維持につなげる。【ヤマト運輸(株)】