一般財団法人環境イノベーション情報機構
国立環境研究所、中央アジア東部乾燥地帯の夏季降水量の変動を過去8500年間にわたって解明
【地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2014.11.28 【情報源】国立環境研究所/2014.11.27 発表
国立環境研究所、中国科学院地球化学研究所、フランスCEREGE研究所は、中央アジア新疆ウイグル自治区ウルムチ市近郊の泥炭堆積物の炭素安定同位体比の記録から、中央アジア東部乾燥地帯における夏季降水量を過去8500年間にわたり復元した。その結果、中央アジア東部の夏季降水量は、東アジア夏季モンスーンと連動して変化しており、東アジア夏季モンスーンが、この地域への水蒸気輸送において重要な役割を果たしていることがわかった。特に、産業革命以降の変動が極めて大きく顕著であり、この時期の大気中CO2濃度の上昇傾向とも調和的な変動を示していたことから、今後、温暖化が続いた場合、この地域では、降水量が増加し、湿潤化傾向がいっそう促進される可能性を示している。
この研究は、アジア乾燥地域における将来の気候変動影響を予測するための重要な知見を提供するものとしている。【国立環境研究所】