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環境ニュース[国内]

国立環境研究所、オゾン層破壊をもたらす大気中の塩化水素が北半球で近年増加と発表

地球環境 地球温暖化】 【掲載日】2014.11.06 【情報源】国立環境研究所/2014.11.06 発表

 東北大学、国立環境研究所を含むベルギー他8カ国のメンバーによる研究グループは、国際的なネットワークを構成して観測を行っているフーリエ変換型赤外分光計*1(FTIR)を用いた地上観測および人工衛星観測により、オゾン層破壊をもたらす塩化水素(HCl)濃度が北半球下部成層圏で2007年以降増加していることを発見した。この増加の原因は、大気モデルによるシミュレーション結果との比較から、北半球の大気循環の数年程度の短期的な減速であることが分かった。なお、今回発見された塩化水素濃度の増加は一時的な現象であり、モントリオール議定書によるフロンの排出規制の効果を否定するものではないことを、科学的検証により確認しているが、国立環境研究所は、今回示したような大気循環の数年程度の変動はHClやその他の大気成分に変動をもたらすため、今後の成層圏オゾン層回復の様子を調べる際には、このような大気循環の変動を十分に考慮する必要があるとしている。

*1フーリエ変換型赤外分光計:光の干渉の原理を利用した分光観測装置。この分光計を用いて太陽赤外光を観測することで、地上からさまざまな大気成分の濃度の情報を得られる。なお、FTIRは英語名Fourier-Transform InfraRed Spectrometerの略。

【国立環境研究所】

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