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環境ニュース[国内]

3歳と6歳児計約17万9,000人が対象 21年度大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査結果を公表

大気環境 大気汚染】 【掲載日】2011.05.27 【情報源】環境省/2011.05.27 発表

 環境省は平成23年5月27日、全国38地域・約9万人の3歳児と38地域の約8万9,000人の6歳児を対象にした21年度の「大気汚染に係る環境保健サーベイランス調査」の結果と、8年度〜21年度の3歳児調査及び16〜21年度の6歳児調査のそれぞれを統合したデータを用いた経年解析等を行った。また、6歳児調査回答者のうち17〜18年度に実施した3歳児調査時に回答のあった者について追跡解析を実施し、それらの結果を発表した。
 この調査は地域住民の健康状態と大気汚染との関係を定期的・継続的に監視し、必要に応じて適切な措置を講じることを目的として毎年実施されているもので8年度に調査が開始されている。
 これらの解析の結果、これらの解析の結果、呼吸器症状のうちぜん息については以下のとおりであった。
 オッズ比による検討において、3歳児調査では、昨年度に大気汚染(SPM)とぜん息との有意な関連性を示す結果が初めて認められたが、今年度は認められなかった。一方、6歳児調査では、昨年度に大気汚染(SPM)とぜん息との有意な関連性は認められなかったが、今年度は有意な関連性(オッズ比1.08、95%信頼区間[1.00〜1.16])が認められた。SPM以外の大気汚染物質とぜん息については、3歳児調査及び6歳児調査ともに、今年度も有意な関連性は認められなかった。大気汚染(SPM)については全般的に低下傾向にあり、さらに、対象者別背景濃度区分ごとの呼吸器症状有症率、調査対象地域ごとの対象者別背景濃度の平均値と呼吸器症状有症率の関係においても大気汚染物質濃度が高くなるほどぜん息有症率が高くなるような関連性は認められなかった。
 なお、ぜん息以外の症状については、かぜひき回数(5回以上)で大気汚染物質濃度が高くなるほど有症率が高くなる傾向がみられたが、ぜん鳴、ぜん鳴(かぜなし)ではみられなかった。
 同省では、SPMについては、3歳児調査及び6歳児調査においてぜん息との有意な関連性が一定の傾向として捉えられる状況にはないが、地域特性にも留意しつつ、今後も注意深く観察するとしている。
 平成21年9月に環境基準が告示されたPM2.5については、現在、常時監視体制の整備が行われているのでその整備状況を踏まえ、SPMとの関連性も考慮して、必要に応じて検討を進めるとしている。また、近年、西日本地域を中心に注意報が発令され、健康影響が懸念されている光化学オキシダントについて、諸外国において基準の改訂が行われているため、今後の動向について引き続き注視するとしている。
 さらに、平成23年5月に公表した局地的大気汚染の健康影響に関する疫学調査報告を踏まえて対応を検討するとしている。【環境省】

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