一般財団法人環境イノベーション情報機構
船舶の温室効果ガス排出削減で戦略策定へ IMO海洋環境保護委員会で決定
【地球環境 海洋汚染】 【掲載日】2002.03.13 【情報源】環境省/2002.03.12 発表
2002年3月4日から8日にかけて、ロンドンの国際海事機関(IMO)本部で、IMO第47回海洋環境保護委員会(MEPC47)が開催された。今回の会議では、(1)船舶から排出される温室効果ガスの削減、(2)船舶のリサイクル、(3)バラスト水(船舶が空荷の時におもしとして積載する水)中に混入した水生生物の管理条約案−−の3点が審議された。
このうち、船舶からの温室効果ガス排出削減については、「船舶のCO2排出基準」「外航船舶から排出される温室効果ガスに対する環境影響評価のための指標」について議論が行われ、内容をより具体化した上で、2003年秋開催予定の第23回IMO総会で、IMOとしての戦略採択を目指すこととなった。
外航船や国際線航空機などの国際交通機関から排出される二酸化炭素は、京都議定書に基づく各国排出量の報告対象外となっているが、IMOや国際民間航空機関(ICAO)では、気候変動枠組み条約事務局の要請により、これらの国際交通機関からの二酸化炭素排出削減方法を検討を続けてきていた。
また、船舶のリサイクルについては、第23回IMO総会での採択を目標に船舶設計・建造に際しての有害物質低減などの内容を含む「船舶リサイクルのための技術ガイドライン」を作成することが合意された。
バラスト水については、その中に取り込まれた生物が本来の生息地以外の地域に運ばれ定着することにより、固有の生態系に影響を与える問題が指摘されているが、日本、ニュージーランド、カナダ、豪州、米国の5か国で、バラスト水の管理条約案を検討し、次回海洋環境保護委員会でも審議の上、2003年までに新条約採択を目指すことになった。【環境省】