一般財団法人環境イノベーション情報機構
「カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会報告書」まとまる
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2009.08.19 【情報源】環境省/2009.08.18 発表
環境省は、「カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会報告書」を取りまとめたと発表した。環境省(庁)及び富山県は、昭和54年以降、富山県の神通川流域において「カドミウム汚染地域住民健康影響調査」を実施しており、地域住民の健康状態の把握など健康管理に役立てられているほか、カドミウムによる健康影響の解明に役立てるため、医学専門家からなる検討会において解析・評価を行っている。
今回、平成9年度〜19年度の住民健康調査で得られた約6,000人の検査データを中心に、それ以前のデータも含めて集計し、近位尿細管機能の経時的変化や腎機能との関連などについて「カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会」において解析・評価が行われ、報告書がとりまとめられた。
その結果、調査の対象者において、
[1]近位尿細管機能の指標である尿中β2−MGが高値で持続する者(検診対象住民の7%以下程度と推定される)の腎機能の低下速度は、一般人の低下速度に比べると早いが、糖尿病や高血圧等の他疾患が原因となる低下の速度に比べると遅いこと、
[2]尿中β2−MGが高値の者は、一般人に比べるといわゆる慢性腎臓病に相当する割合が高いこと、
[3]現時点で尿中β2−MGが低値の者は、今後腎機能に影響が及ぶほど高値となる可能性が低いこと、
−−などが明らかとなった。
環境省は、富山県の協力を得て、地域住民の健康管理及び更なるデータの収集のため、今後も住民健康調査を継続するとのこと。
なお、「カドミウム汚染地域住民健康影響調査検討会報告書の概要」がプレスリリースの添付として、公表されている。【環境省】