一般財団法人環境イノベーション情報機構
08年の東海地方のヒートアイランド現象解析結果を公表
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2009.05.29 【情報源】気象庁/2009.05.29 発表
気象庁は、平成20年の名古屋市を中心とした東海地方のヒートアイランド現象を解析した結果を「ヒートアイランド監視報告」としてまとめ、公表した。ヒートアイランドは都市の気温が周囲よりも高い状態になる現象のこと。
同庁では、平成16年度から関東地方と近畿地方におけるヒートアイランド現象の特徴について調査を行い、「ヒートアイランド監視報告」として毎年公表している。今回は名古屋を中心とする東海地方を対象に調査を行った。
その解析結果としては、名古屋の気温は長期的に上昇しており、その割合は中小都市に比べて大きく、特に冬季や夜間に顕著であることが確認された。これは東京などの大都市と同様の傾向で、名古屋の気温には都市化の影響が現れていると考えることができる。名古屋の熱帯夜日数は10年あたり3.4日の割合で顕著に増加していることが判明。
また都市気候モデル(注)を用いてヒートアイランド現象が顕著に現れる「晴れて風が弱い日」を対象に調査したところ、名古屋市を中心に濃尾平野の広い範囲に都市による気温上昇の影響が及んでいることが判明。
このほか、今回の報告では、西日本を中心に高温となった平成20年夏の関東地方と近畿地方における晴れて風が弱かった日の調査結果や、全国の大都市における気温や熱帯夜日数等の長期的な変化傾向についても触れている。
(注)都市の地形、土地利用、人工排熱などに起因する熱のやりとりをモデル化し、これを入力して大気の状態をコンピュータで計算して都市の気温分布などを再現する数値モデル。
【気象庁】