一般財団法人環境イノベーション情報機構
2007年度オゾン層等の監視結果に関する年次報告書について
【地球環境 オゾン層】 【掲載日】2008.08.29 【情報源】環境省/2008.08.29 発表
環境省は2007年度の(1)オゾン層の状況、(2)CFC(クロロフルオロカーボン)などのオゾン層破壊物質の大気中濃度の状況、(3)太陽紫外線の状況−−についての監視結果をまとめ、2007年8月29日に公表した。07年の地球全体のオゾンの全体量は90年代以前以降、減少した状態にあること、2007年に南極域上空で形成されたオゾンホールの面積は、過去10年間では3番目に小さな規模だったが、オゾンホールははぼ毎年大規模に形成されており、年々変動が大きいために現時点でオゾンホールに縮小の兆しがあるとは判断できず、南極域のオゾン層は依然として深刻な状況にあるとしている。
またオゾン層破壊物質の大気中濃度については、CFC-12が90年代後半以降ほぼ横ばい、CFC-11やCFC-113は減少していることが報告されたが、一方でモントリオール議定書で生産量削減規制が導入されてないCFCの代替物質・HCFC(ハイドロクロロフルオロカーボン)-22、141b、142b、HFC(ハイドロフルオロカーボン)-134aの大気中濃度が急速に増加、特にHFC-134aの増加率は毎年10%前後と極めて大きいことが報告された。
太陽紫外線については、日本を含めた北半球中緯度のいくつかの観測点では、地表に到達する紫外線量は増加し続けている。これらの増加はオゾンの減少のみならず、90年代初頭からのエアロゾルの光学的消散、大気汚染の減少傾向に起因しているほか、雲量の影響一部考えられるとの見解が示されている。
国内の紫外線観測地点(札幌・つくば・那覇)の07年における紅斑紫外線量年積算値は参照値と比べ、札幌とつくばで多く、那覇で参照値なみであったと報告している。
なお、環境省ではこの報告の内容をわかりやすく解説したパンフレット「オゾン層を守ろう」を新たに作成し、環境省ホームページにも掲載することとしている。【環境省】