一般財団法人環境イノベーション情報機構
低濃度PCBを含む絶縁油の第4回焼却実証試験結果を公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2008.06.25 【情報源】環境省/2008.06.25 発表
環境省は平成20年3月に愛媛県の産業廃棄物処理施設・溶融施設で実施していた、低濃度PCB汚染物の第4回焼却実証試験結果を平成20年6月25日に公表した。PCBを使用していない変圧器(トランス)の中に、実際には低濃度PCBに汚染された絶縁油が含まれているケースが数多くあることが判明しているため、これらの低濃度PCB汚染絶縁油の処理体制整備が現在の課題となっている。
今回の実験は、1,100℃以上の高温で焼却可能な既存産業廃棄物処理施設・溶融施設で、低濃度PCBに汚染された絶縁油の処理が適正に実施できることを確認することが目的。
具体的には、財団法人愛媛県廃棄物処理センター東予事業所(愛媛県新居浜市)で現在稼働中の産業廃棄物の焼却施設に、低濃度PCBを含む絶縁油入りコンデンサを投入し、排ガス中のPCB濃度等を分析した。
実施結果としては、排ガス中のPCB・ダイオキシン類濃度が、いずれの施設でも関係法令に定められている基準値を下まわったとされたほか、試験試料投入の有無にかかわらず濃度に顕著な変化がみられなかったことから、低濃度PCB汚染絶縁油投入による排ガスへの影響はないことが確認された。
また施設の敷地境界での大気中PCB濃度、施設周辺の大気中ダイオキシン類濃度についても、関係法令の基準値より低いことが確認されたとしている。
環境省は今後、協力を得られる他の施設においても焼却実証試験を継続実施していくとしている。【環境省】