一般財団法人環境イノベーション情報機構
大気中アスベスト濃度測定の19年度調査結果を公表 全国51地域・145地点で測定
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2008.05.29 【情報源】環境省/2008.05.27 発表
環境省が全国51地域・145地点で実施していた、大気中アスベスト濃度の平成19年度測定調査結果が20年5月27日までにまとまった。今回の調査対象になった場所は、(1)アスベスト製品製造事業場、廃棄物処分場、建築物解体現場の周辺など、現在アスベスト飛散が懸念されている30地域・84地点、(2)対照調査地点としての一般の住宅地域・商工業地域・農業地域18地域34地点、(3)アスベスト製品製造事業場や建築物解体現場の排気口周辺など21地域・40地点。このうち、建築物解体現場を除く40地域・83地点については、夏期と冬期の2回にわたって測定を実施した。
アスベスト製品製造事業場の平均アスベスト濃度は1リットルあたり0.34本、廃棄物処分場は同0.44本、建築物解体現場は同0.41本、アスベストを含む蛇紋岩(注)地域は同0.42本、高速道路・幹線道路周辺は同0.52本であるのに対し、対照調査地点である住宅地域は同0.33本、商工業地域同0.26本、農業地域は同0.40本、内陸山間地域は同0.38本、離島地域は同0.33本とされ、石綿の飛散が懸念される石綿製品製造事業場等、廃棄物処分場等及び解体現場等では、建築物解体現場の1地域を除いて特に高い濃度ではないとしてる。
また、高濃度が測定された1地域のサンプルについて分析走査電子顕微鏡法を用いて繊維の種類を確認したところ、捕集された繊維は、石綿繊維ではなく有機物繊維であることが確認された。【環境省】
(注)アスベストには、蛇紋岩系のクリソタイル(白石綿)、角閃石系のアモサイト(茶石綿)、クロシドライト(青石綿)など、いくつかの種類があるが、このうちのクリソタイルは、蛇紋岩中に脈状に存在する。日本国内では北海道中央脊梁山脈、北上山地、阿武隈山地、秩父山地、静岡から九州中部に至る中央構造線沿いなどに蛇紋岩の産出地帯がある。