一般財団法人環境イノベーション情報機構
環境負荷が大きい廃棄物の適正処理システム確立など提案 リサイクル対策に関する総務省政策評価
【ごみ・リサイクル リサイクル】 【掲載日】2007.08.10 【情報源】総務省/2007.08.10 発表
総務省はリサイクル対策に関する政策評価の結果と、結果に基づく意見をまとめ、平成19年8月10日付けで全府省に通知した。この政策評価は、「行政機関が行う政策の評価に関する法律(政策評価法)にもとづき、循環型社会の形成に関する政策を初めて総合的に評価したもの。全府省、27都道府県、565市町村、196の関係団体・事業者を対象に大規模な調査を実施し、評価を行った点に特色がある。
政策評価の結果としては、「循環型社会形成推進基本計画」が定めた、資源生産性(注1)、廃棄物の最終処分量(埋立量)といったマクロ的な目標について「一定の進展があった」とプラス評価する一方、資源有効利用促進法の指定再利用促進製品や容リ法の再商品化義務品目でも、分別収集・再生利用が進んでいない品目があること、危険性・有害性を理由に、調査対象市区町村の半数以上が処理を行っていない品目が27品目(注2)にのぼったこと、3Rの現況に関する定量的なデータが十分ではないこと、ごみ処理事業の経費や資源化費用に市町村格差(注3)があること−−など、個々の政策分野では、天然資源の消費抑制、環境負荷低減の観点から改善することが望ましい、さまざまな課題が残っていることを指摘している。
また、今後の政策の推進にあたっての意見としては、(1)廃棄物処理に起因する温室効果ガス排出量に関する指標の検討など、「循環型社会形成推進基本計画」の評価指標の見直し、(2)循環資源の効率的な分別収集・再生利用の確保、(3)危険性、有害性を理由に市町村で処理されていない、環境負荷が大きい廃棄物の適正処理システム確立−−などが提案されている。【総務省】
(注1)少ない資源でどれだけ経済的付加価値を生み出しているかを表す指標。GDPを国内・輸入天然資源と輸入製品の総量で割ることによって算出する。
(注2)農薬、小型ガスボンベ、塗料、在宅医療廃棄物など。農薬については調査対象市区町村の97.3%が回収を行っていなかった。
(注3)1トンあたりごみ処理事業の経費は、10万人以上30万人未満の市町村で最も低く、それより人口規模が小さくなるに従い、また逆に大きくなるに従い、費用が高くなっている。また、一部事務組合を設立してごみ処理事業を実施している市町村の方が、設立していない市町村よりもごみ処理費用が低かった。1トンあたりの資源化費用については、平均費用が最も高い5万人以上10万人未満の市町村と、最も低い30万人以上50万人未満の市町村との間に約4倍の格差がみられた。