一般財団法人環境イノベーション情報機構
バイオディーゼル燃料導入に向けた大規模実証事業 実地地区として5地域を決定
【エネルギー バイオマス】 【掲載日】2007.07.12 【情報源】農林水産省/2007.07.12 発表
国産バイオ燃料(注1)の本格導入に向けた取組みを進めている農林水産省は平成19年7月12日、原料調達からバイオ燃料の製造・販売までの大規模実証を行う新事業「バイオ地域利用モデル実証事業」のうち、バイオディーゼル燃料に関する実証実施地域として、5地域を決定したと発表した。地球温暖化防止や循環型社会形成にも貢献するバイオマス燃料の利活用については、アメリカやEUがその拡大に向け、さまざまな優遇措置を講じているところ。
日本でも、06年11月に安倍首相が国産バイオ燃料の生産拡大に協調して進んでいくよう関係府省に指示したことを受け、「2011年度に単年度5万キロリットルの国産バイオ燃料の生産を目指す(注2)」という政府目標が設定されている。
「バイオ地域利用モデル実証事業」は、モデル地域の関係者が地域協議会(注3)を設立し、バイオ燃料(バイオエタノール混合ガソリンまたはバイオディーゼル燃料)の原料調達から燃料供給までの実証事業を実施する中で、国が施設整備(ハード)や地域協議会運営費、バイオ燃料技術実証経費(ソフト)などの2分の1を支援するもの。
今回、バイオディーゼル燃料に関する実証実施地域に決定したのは、(1)茨城県土浦市の「土浦地域バイオディーゼル燃料普及協議会」、(2)東京都江戸川区の「えどがわ油田開発プロジェクト地域協議会」、(3)福井県坂井市の「福井バイオディーゼル設立燃料地域協議会」、(4)福岡県久留米市の「久留米地域協議会」、(5)福岡県新宮町の廃食用油リサイクルシステム九州地区地域協議会」。
土浦ではひまわり、それ以外の4地域は廃食用油を原料に使用。5地域あわせてのバイオディーゼル燃料製造能力は年3,710キロリットルとなる。【農林水産省】
(注1)バイオ燃料は、植物や植物から作られる食品などを原料として製造される輸送用燃料のこと。さとうきびなどをアルコール発酵させて製造されるバイオエタノールは、日本ではガソリンに3%まで混ぜて、ガソリンエンジン用燃料に使うことができる。また、廃食用油などをアルコールと反応(エステル化)させて製造されるバイオディーゼル燃料は、軽油に混ぜてディーゼルエンジン用燃料として使うことができる。
(注2)バイオマス・ニッポン総合戦略推進会議が07年2月にまとめた工程表「国産バイオ燃料の大幅な生産拡大」による。
(注3)地域協議会は、事業の運営に関する地域計画の作成・申請、関係者間の連絡調整、バイオ燃料の利用促進活動、事業の自主評価などを担う。