一般財団法人環境イノベーション情報機構
対馬・下島地区でツシマヤマネコの生息を確認 23年ぶり
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.05.08 【情報源】環境省/2007.05.08 発表
環境省は2007年5月8日、同省が長崎県に委託して実施している生息状況調査の一環として対馬・下島地区(注1)で自動撮影された写真の中に、生きたツシマヤマネコ1頭が映っていたと発表した。ツシマヤマネコが下島地区で生息していることが確認されたのは、1984年5月に発見された交通事故死体以来23年ぶり。ツシマヤマネコは、国内では長崎県対馬だけに生息している「種の保存法」の国内希少野生動植物種の1つで、日本版レッドデータブックでは最も絶滅のおそれの高い「絶滅危惧1A類」に分類されている。05年9月に公表された環境省の生息状況調査では、その生息数は80〜110頭と推定され、また80年代以降ツシマヤマネコの生息頭数が減少傾向にあることが示唆されている。
今回の生息確認写真は、対馬市下島地区の厳原町内山周辺の3か所に設置された自動撮影カメラで19年3月2日に撮影されたもの。
長崎大学土肥昭夫教授と琉球大学伊澤雅子教授に、写真を見せ、確認してもらったところ、「栄養状態が良好なツシマヤマネコの成獣と考えられるが、性別は不明」というコメントが得られたという。
環境省は今後、下島地区で糞などの痕跡に関する詳細調査を実施した上で、同地区でのツシマヤマネコ生息状況評価、個体数の推定を行い、保護の方針を検討する予定だ。【環境省】
(注1)対馬島内で開削された運河・万関瀬戸より北部を上島、南部を下島と呼ぶ。