一般財団法人環境イノベーション情報機構
「潜在的ブラウンフィールドは約2.8万ヘクタール」 国内ブラウンフィールド問題に関する中間報告
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2007.04.19 【情報源】環境省/2007.04.19 発表
環境省は、日本のブラウンフィールド問題の現状、発生要因、影響などを検討した中間報告「土壌汚染をめぐるブラウンフィールド問題の実態等について」を平成19年4月19日に公表した。ブラウンフィールドとは、「土壌汚染が存在するか、その懸念があるため、土地が持つ潜在的な価値よりも著しく低い用途で利用されているか、未利用となった土地」のこと。土壌汚染への取組みの歴史が比較的浅い日本ではブラウンフィールド問題は、まだそれほど顕在化していないが、諸外国ではこの問題が深刻化し、さまざまな取組みが行われている
今回の中間報告は、(社)土壌環境センターに設置された「土壌汚染をめぐるブラウンフィールド対策手法検討調査検討会」が検討を行ったもの。
国内で土壌汚染が存在する土地の面積を約11.3万ヘクタール、その資産規模を約43.1兆円、必要な土壌汚染対策費を約16.9兆円と試算。さらに「土壌汚染対策費が土地価格の3割を超えると土地売却が困難になり、土壌汚染地の約4分の1がブラウンフィールド化する」という研究結果に基づき、国内でブラウンフィールド化するおそれがある土地が約2.8万ヘクタールにのぼり、その資産規模が約10.8兆円、必要な対策費用が約4.2兆円になることを算出している。
また、ブラウンフィールドが発生した場合、土壌汚染が放置され、人の健康への影響が懸念されること、地域の活気や魅力が失われること、再開発が阻害され、都市周辺部の農地や緑地への開発圧力を生じること−−などを問題点として指摘。今後、環境問題としてだけでなく、社会経済的問題としてもブラウンフィールド問題を認識し、幅広い取組みを行うことを訴えている。【環境省】