一般財団法人環境イノベーション情報機構
黄砂観測装置を新潟県新潟市に設置
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2007.03.29 【情報源】環境省/2007.03.29 発表
環境省は北東アジア地域での黄砂モニタリングネットワーク構築に向け、地上から上空数キロメートルわたり、リアルタイムで黄砂の観測が可能な装置・ライダー(LIDAR:Light Detection and Ranging)を新潟県新潟市の(財)日本環境衛生センター酸性雨研究センター敷地内に設置し、2007年3月29日から観測を開始した(注1)。黄砂については近年、中国などでの被害が急激に拡大し、過放牧や耕地拡大など人為的な要因による寄与度など詳細な現象解明が求められてきているところ。
日中韓モンゴル4か国と国連環境計画(UNEP)などの国際機関が共同で05年3月に策定した「北東アジアにおける黄砂の防止と抑制に関する地域マスタープラン」でも、モニタリングネットワークの重要性を指摘しているほか、06年12月に開催された第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM8)でも、北東アジア地域での黄砂モニタリングネットワークの促進が合意されている。
今回設置したライダーは、国立環境研究所が開発したもので、レーザー光線を上空に発射し、上空に浮遊する粒子状物質に反射して返ってくる光を測定・解析することにより、黄砂などの粒子状物質を他の汚染物質と区別し、その鉛直分布をリアルタイムで観測することができる。
環境省が国内で設置するライダーとしては、富山県射水市、島根県松江市、長崎県長崎市に続き4基目にあたるが、これ以外にも、国立環境研究所が観測を行っている、北海道札幌市、宮城県仙台市、茨城県つくば市、長崎県福江島、沖縄県辺戸岬の5基があるため、今後はこれらを含め計9基のライダーによる観測が日本国内で可能となる。【環境省】
(注1)新潟に設置したライダーのデータは国立環境研究所のホームページから閲覧可能。