一般財団法人環境イノベーション情報機構
東京内湾の小型機船底びき網漁業対象魚種について「包括的資源回復計画」を作成 神奈川県
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.03.22 【情報源】水産庁/2007.03.20 発表
神奈川県は東京内湾の小型機船底びき網漁業対象魚種についての「包括的資源回復計画」を作成し、2007年3月20日付けで公表した。「資源回復計画」は悪化傾向にある日本周辺水域の水産資源の回復を漁業関係者や行政が一体となって取組むために策定されるもので、複数県にまたがり分布する資源については国が、分布が一都道府県内にとどまる場合は都道府県が計画を作成することになっている。
今回の計画の対象になった東京内湾での小型機船底びき網漁業の神奈川県所管分の漁獲量は、平成元年には最多の2,305トンを記録したが、その後に減少し、ここ数年は1,000トンを下回っている。特に漁獲量の4割以上を占めるシャコは、元年には1,080トン漁獲されていたが、17年には57トンに激減している。背景には対象魚種の資源水準が総じて低位で推移していることがあり、その回復が緊急の課題となっている。
今回の「資源回復計画」は、小型機船底びき網漁業対象資源の減少に歯止めをかけ、漁獲対象資源全般を回復させること、具体的には23年度にシャコ資源を持続的に利用できる資源量まで回復させることのほか、マコガレイ等の魚類資源の減少に歯止めをかけ、合計800トン(17年比約3割増)の回復を目指すこと−−を目標に設定。
資源回復措置としては、(1)稚魚・稚シャコ等が集まる漁場の一部での禁漁期設定、(2)マコガレイなどの小型魚の水揚げ制限と再放流、(3)シャコ漁制限、(4)漁具改良、(5)週2日の休漁日設定、(6)マコガレイなどの種苗放流や漁場清掃による漁場環境改善−−などを行うとしている。
なお、東京内湾の小型機船底びき網漁業の操業は、神奈川県のほか、千葉県の漁業者が行っているため、神奈川県はこの資源回復措置を千葉県の漁業者と連携を保ちながら行っていくとしている。【水産庁】