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環境ニュース[国内]

多様な主体による管理運営実施へ 環境省検討会が自然公園の指定・管理運営の方向性を提言

自然環境 自然公園】 【掲載日】2007.03.09 【情報源】環境省/2007.03.09 発表

 環境省の「国立・国定公園の指定及び管理運営に関する検討会」は、平成19年3月9日までに、国立・国定公園の指定や管理運営に関する提言「時代に応える自然公園を求めて」をまとめ、同日、公表した。
 この検討会は、旧国立公園法による自然公園制度発足から75年が経過し、自然の質に関する価値観や社会情勢が大幅に変化していることを踏まえ、現代のニーズに合致した制度の見直しを行うために設置された検討会。自然公園が抱える課題を、「指定」と「管理運営」の2つに大別して、それぞれについて方向性を検討していた。 
 今回の提言は、国立・国定公園の指定に関して、(1)社会的に高く評価されるようになっている「照葉樹林」、「里地里山」、「海域」、「特徴的な湿地」などについて、すぐれた自然の風景地としての評価を進めること、(2)鹿児島県の奄美群島・沖縄県のやんばる地域を、すぐれた照葉樹林風景地として、国立公園指定を視野に入れて詳細評価すること、(3)国立・国定公園の存在意義、多面的な役割を国民にわかりやすく発信することを前提にして公園区域を見直すこと、(4)国立公園国定公園の役割を明確化すること−−などを、見直しの方向性として示すとともに、生物の生息・生育空間のつながりや適切な配置が確保された生態系ネットワーク形成の観点から、国定公園の配置を検討する必要があることを指摘している。
 また、管理運営に関しては、「地域性(土地を公園専用用地とせずに指定により自然公園として保全する方式)」である日本の国立公園の特性を踏まえながら、多様な主体が参加できる管理運営手法などについて検討を行い、(一)公園が提供するサービスの明確化、(二)国、自治体、民間事業者、土地所有者、農林漁業者、地域住民、公園利用者、NGO・NPO、研究者、企業−−など多様な関係者の参加による公園計画の策定と管理運営の実施、(三)科学的データの整備、多様な主体による取組みの効果を検証する評価の実施と評価結果の管理運営への反映、(四)適正な利用の推進と地域振興への寄与、(五)周辺地域との連携促進、(六)国立公園が置かれている現状・課題、施策の実施計画、実施した施策の成果などに関する国民・住民への説明責任の遂行、(七)現地組織の権限の強化など、地域独自の管理運営推進を可能とする環境省の体制整備−−を提言した。
 なお、環境省は、この提言の内容に沿って、国立・国定公園の総点検事業を19年度から実施する方針を固めるとともに、尾瀬地域など約3地域で協議会を設け、多様な主体の参加による国立公園の管理運営を進めるためのモデル事業を19年度に実施することを決めた。
 さらにこれらの取組みと並行して、広く一般から国立・国定公園の今後のあり方について19年4月27日まで意見を募集している。詳細は意見募集要綱を参照のこと。【環境省】

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