一般財団法人環境イノベーション情報機構
原発の電気出力の上限撤廃へ 原発1基新設に相当する効果
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2001.10.17 【情報源】原子力安全・保安院/2001.10.16 発表
平成13年10月16日に開催された総合資源エネルギー調査会の原子炉小委員会で、定格熱出力一定運転の安全性についての報告書案が了承された。定格熱出力一定運転は原子炉設置許可で認められた原子炉の発熱量の最大値である「定格熱出力(上限発熱量)」を保ったまま原子炉を運転する方法。
現在は原子炉の運転の結果できた電気出力(電力量)を一定にする運転方法をとっており、冬季に発電用タービンから出る蒸気の冷却効果が向上し、発電効率が上昇した分について、わざわざ原子炉の発熱量を下げ電力量を抑えていたが、定格熱出力一定運転へ移行した場合、効率がよくなった分電力量を増やせる。
今回の報告書案では、全国で51基あるすべて原子力発電施設で定格熱出力一定運転を行うと、原発1基を新設したのに相当する86.1万キロワット分発電量を増やすことができると試算している。
また、定格熱出力一定運転についての安全面からの検討結果では、(1)原子力安全上の問題と関係がない、(2)既存設備を変更せずに移行が可能、(3)温排水排熱量の増加もわずかで周辺海域への影響もほとんどない−−とされている。
なお、この報告書案については、今後一般から意見を募集する予定。【原子力安全・保安院】