一般財団法人環境イノベーション情報機構
福島県、同県海域のマアナゴについて「資源回復計画」作成
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2007.02.14 【情報源】水産庁/2007.02.13 発表
福島県は同県海域のマアナゴについて「資源回復計画」を作成し、2007年2月13日付けで公表した。「資源回復計画」は悪化傾向にある日本周辺水域の水産資源の回復を漁業関係者や行政が一体となって取組むために策定されるもので、複数県にまたがり分布する資源については国が、分布が一都道府県内にとどまる場合は都道府県が計画を作成することになっている。
福島県海域のマアナゴの漁獲量は、1985年から97年まで約300トンから約1,000トンの間で増減を繰り返していたが、98年以降は400トン前後で推移するようになり、それまで見られていた2〜4月の沿岸水温と2年後の漁獲量の相関関係も崩れた。その要因の1つとして、90年頃から開始された機船船びき網漁業(注1)による「ノレソレ(マアナゴの葉形仔魚)」の選択的な漁獲の影響が指摘されている。
今回の「資源回復計画」は、07年度から11年度までの5年間ノレソレの漁獲を制限することにより、沿岸水温と相関関係のある漁獲量の確保を目標として設定。具体的な資源回復措置としては、(1)機船船びき網漁業によるノレソレの採捕数量の制限、(2)体長20センチ未満のマアナゴ再放流−−などを行うとしている。
(注1)福島県海域では、沖合底びき網漁業、小型機船底びき網漁業、はもかご漁業、どう漁業により、マアナゴ全漁獲量の約95%以上が漁獲されているが、これに加えて、ノレソレを漁獲する機船船びき網漁業が開始された。【水産庁】