一般財団法人環境イノベーション情報機構
黄砂問題の局長級会議、化学物質管理ワークショップの開催を合意 第8回日中韓三カ国環境大臣会合
【地球環境 国際環境協力】 【掲載日】2006.12.05 【情報源】環境省/2006.12.04 発表
2006年12月2・3日の両日、第8回日中韓三カ国環境大臣会合(TEMM)が中国・北京市の釣魚台国賓館で開催された。日中韓三か国環境大臣会合は日本・中国・韓国の三か国の環境大臣が北東アジア地域と地球規模の環境問題に関する対話を通じ、協力関係を強化することを目的に99年から毎年開催されている会議。
今回の日中韓三カ国環境大臣会合では、気候変動問題などの地球環境問題、黄砂、酸性雨などの北東アジア地域の環境問題、大臣会合の将来の方向性について意見交換が行われた。
気候変動問題については、06年11月に開催された「第12回気候変動枠組条約締約国会議・第2回京都議定書締約国会合(COP12・COP/MOP2)」で、2013年以降の気候変動対策の枠組みの検討スケジュールが決定されたことを評価するとともに、気候変動問題に対する更なる地球規模の取組みが必要であることを確認。また05年7月に設立された「クリーン開発と気候に関するアジア太平洋パートナーシップ(APP 注1)について、京都議定書を代替するものではなく、あくまで議定書を補完するものとして支持していく意思を表明した。
地域の環境問題については、共同研究設立を含む具体的な黄砂対策を議論するために、局長級会議を開催すること、化学物質管理政策・規制に関する情報交換を推進するために07年に日本でワークショップを開催すること−−を合意。また、漂流・漂着ゴミ対策や地域の水環境保全と管理について協力を進展させることも確認された。
なお、会議に出席した若林正俊環境大臣は、中国の周生賢(ジョウ・シェンシア)・国家環境保護総局長、韓国の李致範(イ・チボム)環境部長官とぞれぞれ2者会談を実施。
周総局長とは、温暖化対策、水環境保全、廃棄物などについて意見交換を行い、具体的な協力事業を進めることで合意したほか、李長官とは日韓がともに0ECD加盟国であり、多くの課題について共通の関心を持ち、対処していることを確認した。
(注1)環境汚染、エネルギー安全保障、気候変動問題に対処するために、クリーンで効率的な技術の開発・普及・移転をアジア太平洋地域で推進することを目的に、米国、オーストラリア、中国、インド、韓国、日本により設立された組織。参加6か国の8分野の二酸化炭素排出量は、総排出量の約6割を占めている。【環境省】