一般財団法人環境イノベーション情報機構
「都市計画運用指針」と「開発許可制度運用指針」改訂案の意見募集結果公表
【環境一般 まちづくり】 【掲載日】2006.12.05 【情報源】国土交通省/2006.12.05 発表
国土交通省は平成18年12月5日、「都市計画運用指針」と「開発許可制度運用指針」の改訂案についての意見募集結果を公表した。これらの案は、都市の無秩序な拡散による環境負荷増大などの問題に対応して、立地規制などを導入した「改正都市計画法」の施行に伴い作成されたもの。
このうち「都市計画運用指針」には、基本的考え方の中に(1)都市計画の決定・変更にあたって、地域の主体性と広域的な整合性の両者を確保することが必要であること、(2)市町村が決定主体である都市計画で関係市町村の利害が一致しない場合などは、都道府県が調整を行えるよう情報収集に努めること、(3)長期にわたり事業が着手されていない都市施設、都市計画について必要性の検証を行うことが望ましいこと、(4)都市計画提案制度(注1)などに基づいて行われる民間主体からの都市計画見直しの提案・要請に対して、行政側が積極的に見直し体制を整備することが望ましいこと、(5)環境負荷や都市運営コストの増大を回避する観点から、市街地のいたずらな拡大や、市街地外への都市機能の無秩序な拡散を抑制する必要であること、(6)区域区分が行われていない都市計画区域や準都市計画区域内の用途地域の指定がない地域では、環境悪化を招くおそれがある建築物の立地を避けるため、特定用途制限地域の指定などで的確に対応すべきこと、(7)大規模集客施設立地に際して、用途制限の解除などの都市計画制度の運用を行う場合には、既存店舗との競争抑制措置とともに、環境悪化、交通渋滞激化などの土地利用の外部性をコントロールする観点からの運用を実施すべきであること−−などが新たに盛りこまれていた。
公表内容によると、案に対し寄せられた意見は15件。
意見にはたとえば、「マスタープランの位置づけ明確化や、各市町村による調整区域内の地区計画指定基準策定義務化などの措置を通じて、調整区域内で地区計画制度を使った開発行為を助長させない仕組みづくりを運用方針に明示すべき」という内容があり、これに対しては「改正法は、大規模開発の是非を地域でよく判断できるよう、住民参加と都道府県による広域的判断を要する地区計画制度を活用することにしたもので、一律に大規模開発を否定するものではない。また地区計画の指定基準策定は、都市計画決定権者である市町村が適切に判断すべき事項。さらに地区計画は、都市計画法上、市町村マスタープラン、都市計画区域マスタープランに即したものでなければならないと規定されていることから、運用指針に改めて記述することは考えていない。地区計画に関する都市計画を定める際の基本的考え方は指針中に記述されている」という国土交通省の考えが示されている。
(注1)一定の面積以上の一体的な区域について、土地所有者・まちづくりNPOなどが、所有者らの3分の2以上の同意をとりつけた上で、地方公共団体に都市計画変更などを提案できるとする制度。制度自体は14年に導入されていたが、今回の法改正では、提案権者に開発事業者が加えられた。【国土交通省】