一般財団法人環境イノベーション情報機構
有明海・八代海総合調査評価委員会報告について意見募集開始 有明海・八代海の再生策提示へ
【水・土壌環境 水質汚濁】 【掲載日】2006.12.04 【情報源】環境省/2006.12.04 発表
「有明海・八代海再生特措法」の見直しに向け、検討を行ってきた環境省の「有明海・八代海総合調査評価委員会」は2006年12月4日、これまで審議された知見をまとめた委員会報告を公表し、この報告について、06年12月15日まで意見募集を行うことにした。委員会報告は、有明海の抱える問題点を有用二枚貝・魚類等、底生生物(ベントス)の減少、ノリ養殖・不作、八代海の抱える問題点を養殖魚介類への影響、魚類等の減少、ノリ養殖・不作であると整理。
また、河川からの土砂供給の減少、干潟・藻場の減少、栄養塩・有機物の流入などの要因がからみあって、潮流・潮汐の変化、貧酸素水塊の発生、赤潮の発生件数増加・大規模化、底質中の有機物、硫化物増加−−などの諸現象を引き起こし、ひいては「問題点」の出現につながっているとして、これらの各要因の相関を図にまとめ、さらにこの相関図を出発点として、「問題点」と諸要因との関連、環境要因が変化した原因についてそれぞれ考察した。
この考察では、00年度の有明海のノリ不作を、大発生した赤潮が栄養塩を吸収した結果としているが、一方で1955年から75年までの長期にわたって進んだ、干拓・埋立て、海岸線人工化などにより潮流速が減少し、干潟消失による浄化能力低下とあいまって富栄養化に関与した可能性があること、諌早干拓による干潟消失が浄化能力低・潮流速の減少に関与したこと−−も指摘されている。
また八代海の魚類の減少については、藻場・干潟の面積減少と藻場の質の低下があいまって引き起こされたと推察されている。
なお有明海・八代海の再生策としては、(1)底層環境改善、(2)藻場・干潟の造成など沿岸域の環境保全・回復、(3)貧酸素水塊対策、(4)貝類、魚類などの資源管理・増養殖、(5)持続的ノリ養殖のための施策推進、(6)八代海での持続的養殖のための施策推進−−の6点があげられている。
意見は郵送、FAX、電子メールで受付けている。宛先は有明海・八代海総合調査評価委員会事務局(住所:〒100−8975東京都千代田区霞ヶ関1−2−2環境省水・大気環境局水環境課閉鎖性海域対策室内、FAX番号:03−3501−2717、電子メールアドレス:mizu-hesasei@env.go.jp)。【環境省】