一般財団法人環境イノベーション情報機構
第61回国連総会に提出される漁業関連決議案まとまる 底びき網漁業の悪影響防止措置など盛りこむ
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2006.11.28 【情報源】水産庁/2006.11.27 発表
2006年10月2日から9日にかけてと11月17日から22日にかけて、ニューヨークの国連本部で、漁業関係決議に関する国連非公式協議が開催され、06年の漁業関係決議案が作成された。この決議案には、例年同様、違法・無報告・無規制(IUU)漁業や過剰漁獲能力問題への対応、各国・各地域漁業管理機関(RFMO)などによる漁業管理強化の必要性が記載されたほか、遵守・取締りに関する新章が新設された。
新章では特に底びき網漁業などに関して、(1)各条約水域内の海洋生態系に悪影響を及ぼすと考えられる場合で、08年末までにその防止措置が講じられない場合には、その水域の権限を持つRFMOなどが操業禁止措置をとること、(2)RFMO設立交渉中の海域では、(1)と整合性のある暫定措置を07年末までに導入すること、(3)RFMOの対象外で、暫定措置も導入されない海域については、旗国(船籍がある国)が(1)と同様の措置を導入するか、(1)(2)の措置が導入されるまで操業許可発給を休止すること、(4)国連食糧農業機関水産委員会(COFI)は、公海での深海漁業管理業務作業工程を次回委員会で策定すること、(5)事務局長はこの決議に基づき、各国・RFMOなどがとった行動を09年の第64回国連総会に報告し、必要な場合はこの総会でレビューを行うこと−−などが盛りこまれた。
また、FAOが漁船の情報収集とその共有化のための仕組みづくりを開始すること、南太平洋・北西太平洋で新たなRFMOの設立交渉が開始されたことを歓迎すること、07年に日本主催で開催されるまぐろRFMO合同会合(注1)を歓迎し、参加を促進すること−−も記載された。
この決議案は12月上旬の第61回国連総会本会議で、海洋法決議とともに審議・採択される予定。
(注1)大西洋のICCAT、インド洋のIOTC、東部太平洋のIATTC、中西部太平洋のWCPFC、ミナミマグロ水域を対象としたCCSBTという、まぐろ類のRFMO・5機関が一堂に会する合同会議。07年1月に神戸で開催予定。【水産庁】