一般財団法人環境イノベーション情報機構
17新規プロジェクトの承認、21プロジェクトへの拠出決定 第41回ITTO理事会
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2006.11.21 【情報源】林野庁/2006.11.20 発表
2006年11月6日から11日にかけ、横浜市のみなとみらいパシフィコ横浜で第41回国際熱帯木材機関(ITTO)理事会が開催された。ITTOは熱帯林保有国の環境保全と熱帯木材貿易の促進を両立させることによって、熱帯林を持つ開発途上国の経済的発展に寄与することを目的とした機関で、持続可能な森林経営に関する政策立案活動と造林・森林経営、林地復旧、人材養成などの具体的なプロジェクト活動を行っている。
今回の理事会には、熱帯木材生産国の加盟国、消費国の加盟国計59か国・EUの代表のほか、オブザーバーとして関係国際機関、木材業界団体、環境NGOらが参加。
(1)「ITTO目標2000(注1)」についての報告、(2)持続可能な木材生産・貿易と関連する各国の森林関係法の施行、(3)ITTOプロジェクト・サイクルの改善・強化策、(4)プロジェクト・提案決議案の承認−−などが議題となった。
(1)に関連しては、タイから違法伐採がより小規模で巧妙になっていることや、人工造林の問題点が報告されたほか、インドから人口圧力による用途転換により、総体として総森林面積の減少がみられることが報告された。
また(2)については、エクアドルから、森林法実施のための人材養成、違法伐採へ厳格な対処などにより、2020年に年間5万ヘクタールの造林を実現し、持続可能な森林経営を達成することを目標としているという報告が行われた。
(3)については、ITTOプロジェクト形成マニュアル、モニタリング・レビュー・評価マニュアル、標準手続マニュアルの見直し作業を継続することが合意され、(4)については、17件の新規プロジェクト承認、21件のプロジェクト、フェローシップ・プログラムについての拠出が決議された。日本は「スマトラ・カリマンタンでのラミン(注2)の消失防止と植生回復、人工造林推進(インドネシア)」、「合法、証明木材の需要と市場の推進と創出(日本)」などのプロジェクトに352万5,000ドル(外務省300万3,000ドル、林野庁52万2,000ドル)を拠出することが決まった。
(注1)91年にITTO理事会が採択した目標で、国際取引される熱帯木材の全てを00年までに持続可能な経営が行われている森林から生産されるものにするとしていた。00年開催の理事会で目標未達成が確認されたため、その後も期限を区切らず達成に取組むことが決議された。
(注2)ジンチョウゲ科の広葉樹。湿地沼沢林に育つ希少樹種で木材としては高価。04年の第13回ワシントン条約締約国会議で附属書2掲載種(国際取引制限種。輸出時に輸出国の輸出許可証が必要)となった。【林野庁】