一般財団法人環境イノベーション情報機構
都道府県把握の土壌汚染超過事例は1,906件 昭和50年度〜平成16年度の累計で
【水・土壌環境 地下水/土壌汚染】 【掲載日】2006.11.17 【情報源】環境省/2006.11.17 発表
環境省は平成18年11月17日、都道府県と土壌汚染対策法上の政令市を対象にした土壌汚染調査事例・対策事例(注1)についての16年度調査結果と土壌汚染対策法の16年度施行状況調査の結果を公表した。公表結果によると、都道府県・政令市が把握している土壌汚染調査事例は昭和50年度から平成16年度までの累計で3,677件あり、このうち1,906件について土壌環境基準か指定区域の指定基準に適合していないことが判明しているという。
16年度の調査事例838件中の超過事例は454件で、うち土壌汚染対策法の対象となる事例は43件だった。
超過事例1,906件を汚染物質項目別に分類すると、重金属のみに関わるものが1,162件、揮発性有機化合物(VOC)のみに関わるが485件、これらの複合汚染が259件で、個別の汚染物質項目では、VOCについてはトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレンの順に、重金属などでは鉛とその化合物、砒素とその化合物、ふっ素とその化合物の順に事例が多かった。
超過事例に対する16年度の汚染除去措置の内容をみると、VOC超過事例66件中では原位置浄化が49件と最も多く、原位置浄化方法としては土壌ガス吸引と地下水揚水の各13件、バイオレメディエーションの10件の順に多かった。重金属等超過事例や複合汚染事例296件中では、汚染土壌の掘削除去が264件で最多だった。
土壌汚染対策法の施行状況としては、法の対象となる有害物質使用特定施設の使用廃止件数が16年度は802件で、うち法に基づく土壌汚染状況調査結果の報告件数は130件(注2)。調査の結果、16年度に指定区域として新指定された区域は43件で15年度から継続指定されている17件とあわせ60件となったが、一方で指定解除区域が22件あり、17年度に引き続き指定区域となった区域は38件だった。
(注1)土壌汚染対策法に基づくもの、条例・要綱に基づくもの、自主的取組によるものすべてを含む都道府県・政令市の把握事例。
(注2)土壌汚染対策法は、有害物質使用特定施設の使用廃止時や都道府県が特に認める時にその敷地の土壌汚染状況調査を行うこと、調査の結果、土壌の汚染状態が基準に適合しない場合に指定区域として指定を受け、汚染原因者(汚染原因者が不明の場合は土地所有者)が汚染除去措置を行うことを定めている。【環境省】