中国に対する公海流し網操業の改善要請を決定　北太平洋溯河性魚類委員会第１４回年次会議

【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2006.10.31 【情報源】水産庁／2006.10.31 発表

　２００６年１０月２３日から２７日にかけて、カナダのバンクーバーで北太平洋溯河性魚類委員会（ＮＰＡＦＣ）第１４回年次会議が開催された。
　ＮＰＡＦＣは北緯３３度以北の太平洋公海でのさけ・ますなどの溯河性魚類の漁獲禁止や、溯河性魚類とその生態学的関連種についての科学調査協力について規定した「北太平洋溯河性魚類保存条約」に基づいて設立された委員会。
　今回の会議には条約加盟国であるカナダ、日本、韓国、ロシア、米国の５か国のほか、オブザーバーとして北太平洋海洋科学機関（ＰＩＣＥＳ）などの国際機関、台湾が参加し、（１）公海流し網操業の取締り、（２）さけ・ます資源に関する科学調査協力、（３）同委員会の財政・運営などについて検討を行った。
　公海流し網操業については、０６年漁期にはＮＰＡＦＣ条約水域で加盟国漁船による条約違反は確認されなかったものの、取締り活動により、同水域内で中国籍と思われる流し網漁船の視認件数が顕著に増加していることが報告され、委員会議長から中国に改善を求める書簡を発出することが合意された。
　さけ・ます資源に関する科学調査協力については、太平洋でのさけ・ますの資源量が引き続き高い水準にあることが報告されたほか、今後の調査の方向性が議論された。
　委員会の財政・運営については、科学研究のための外部資金の利用について、科学調査小委員会の検討、委員会の決定を必要とする手順が定められた。【水産庁】