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環境ニュース[国内]

浜岡3号機ハフニウム板型制御棒5本でひび確認 全同型制御棒を交換へ

エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.09.20 【情報源】原子力安全・保安院/2006.09.19 発表

 定期検査中の中部電力(株)浜岡原発3号機(沸騰水型、定格電気出力110万キロワット)で、使用中のハフニウム(注1)板型制御棒1本にひびが確認された件について、原因調査結果と今後の対応方針に対する中電の報告がまとまり、18年9月19日に原子力安全・保安院に提出された。
 18年1月に東京電力(株)福島第一原発6号機に使用されていたハフニウム板型制御棒にひび・破損がみつかったことをきっかけに、現在、国内の全沸騰水型原発では、同型制御棒に対する確認調査が定期事業者検査時などに実施されている。今回のひびもこのような調査の中で確認されたもの。
 報告によると、浜岡3号機では、最終的に13本ある使用中のハフニウム板型制御棒のうち、5本についてひびが確認された。
 これらのひびは、18年5月に確認された3号機の使用済み同型制御棒13本のひびと発生部位・位置、形状、材料がほぼ一致していることから、中電はひびの原因を、「使用済み制御棒同様、制御棒のハフニウム板とハフニウム板を覆っているステンレスのカバーの間に発生したさびが、中性子照射を受けることにより照射誘起応力腐食割れという特殊な割れを進展させた」と推定。
 対策としては、「1平方センチあたり4.0×10の21乗n以上の熱中性子照射量を受けた制御棒を、制御棒の構造健全性が原子炉制御に影響を与えない全挿入位置で使用する」、「定期点検時に外観点検を実施する」といった、すでに実施されている対応の継続と並び、ハフニウム板型制御棒13本全てをボロンカーバイト型制御棒に交換することが示されている。
 報告を受けた保安院はこの原因と対策を妥当であると判断。これらの対策の実施状況を確認していくとした。
 なお18年9月19日までに、全国で526本のハフニウム板型制御棒について点検が終了した。浜岡3号機のケースを含め、うち64本(使用済み45本、使用中19本)にひび・破損の発生が確認されている。

(注1)ハフニウムは原子番号72の元素。チタン族元素の一つで熱中性子の吸収断面積が大きいため、原子炉の制御棒の材料に利用されている。制御棒は炉心内で生成される中性子数を調整し、原子炉出力を制御する棒または板状物質。【原子力安全・保安院】

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