一般財団法人環境イノベーション情報機構
保安院、女川1号機に関する耐震安全性評価結果を妥当と判断
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.09.14 【情報源】原子力安全・保安院/2006.09.13 発表
東北電力(株)が原子力安全・保安院に提出した、女川原発(宮城県牡鹿郡女川町・石巻市)1号機の耐震安全性詳細評価を妥当とする保安院の検討結果が平成18年9月13日までにまとまり、東北電力に通知された。女川原発では17年8月16日の宮城県沖地震発生時に、通常運転を行っていたが、地震の影響により、同日11時46分に1、2、3号機が自動停止。その時の観測データの中に、設計時に想定した以上の揺れがあったことを示す内容が含まれていたことを踏まえ、耐震安全性詳細評価がまとめられたもの。
1号機の耐震安全性評価は、18年5月に(1)今回の地震に対して1号機の安全上重要な設備の耐震安全性は確保されていた、(2)近い将来高確率で発生が予想される宮城県沖地震に対する地震動と、限界的なプレート境界地震・最大規模のスラブ内地震を踏まえた地震動(安全確認地震動)を策定し、これらの地震動による1号機の建屋・機器の耐震安全性を評価した結果でも、1号機の安全上重要な設備の耐震安全性が十分確保されることが確認された−−とする報告が提出されていたが、その後、18年6月に原子炉建屋基礎地盤の耐震安全性の追加報告、18年8月に配管の減肉調査・解析評価の結果を含めた評価結果の一部修正が保安院に提出され、(3)1号機の原子炉建屋基礎地盤の耐震安全性確保が確認された、(4)原子炉建屋の地震応答解析結果の信頼性にかかわる指標「接地率」の評価結果により、5月に報告した1号機原子炉建屋の地震応答解析結果の信頼性が改めて確認された、(5)1号機の安全上特に重要な機器について耐震安全性確保が確認された、(6)5月に未点検だった配管の点検を完了した結果、1号機の安全上重要な配管の耐震安全性確保が改めて確認された−−という内容が追加された。
なお保安院は、これらの評価を現行の耐震設計審査指針にもとづきチェックした結果、「1号機は今回の地震、近い将来高確率で発生が予想される宮城県沖地震に対する地震動と、限界的なプレート境界地震・最大規模のスラブ内地震を踏まえた地震動いずれに対しても、耐震安全性が確保されると判断する」と結論。ただし耐震設計審査指針が近く改訂される見通しであることから、改訂後の指針に照らして女川原発の耐震安全性が確保されるか今後確認するとした。【原子力安全・保安院】