一般財団法人環境イノベーション情報機構
17年の環境犯罪 検挙件数4,735件に
【環境行政 法令/条例/条約】 【掲載日】2006.08.02 【情報源】警察庁/2006.08.01 発表
警察庁は平成18年8月1日、環境関係犯罪の17年中検挙事件数が4,735件(16年:3,674件)、検挙人員数が6,458人・544法人(16年:5,292人・338法人)に達し、うち廃棄物関係犯罪の検挙事件数が4,123件(16年:3,166件)、検挙人員数が5,728人・527法人(16年:4,684人・320法人)を占めたと公表した。17年の廃棄物関連犯罪の検挙事件数・検挙人員数は、2年の統計開始以来の最多記録を示したもので、内訳は、産業廃棄物関連の検挙事件数が797件(17年比88件増)、一般廃棄物関連の検挙事件数が3,326件(17年比869件増)。
特徴としては、一廃関連の検挙事件数の中で、焼却禁止違反による事件数が645件(16年比326件増)と急増したこと、16年上半期に増加傾向を示していた軽油密造に伴い生じた硫酸ピッチ(注1)やスラッジ (注2)の不適正処分に関する検挙事件数が8件と16年の13件に比べ減少したことがあげられる。硫酸ピッチ関連の検挙事件数の減少は、硫酸ピッチ処理基準が廃棄物処理法施行令の改正内容で定められ、16年10月に施行されたことが功を奏したとみられる。
廃棄物関連以外では、ワニやホウシャガメなどの国際希少動植物種不法販売・譲渡といった鳥獣保護関係で304件(16年:280件)、ペットショップ経営者やブリーダーによる動物虐待といった動物愛護関係で181件(16年:110件)の検挙があった。
(注1)灯油と重油を混ぜて不正に軽油を精製する際、不純物として生じる強酸性のタール状沈殿物。有害性が強く、健康被害のほか、大気・水質・土壌汚染の原因になる可能性がある。
(注2)硫酸ピッチを取り除いた軽油をさらに精製する際に不純物として出る泥状の沈殿物。強酸性のものは硫酸ピッチと同様の危険性を持つ。【警察庁】