一般財団法人環境イノベーション情報機構
硝酸性窒素による地下水汚染浄化技術 18年度実証調査で2件の技術採択
【環境一般 調査/研究】 【掲載日】2006.06.27 【情報源】環境省/2006.06.27 発表
硝酸性窒素による地下水汚染の効果的な浄化手法を確立するため、平成16年度から実用化段階にある浄化技術の実証調査を汚染地域で実施している環境省は平成18年6月27日、18年度調査対象技術として2件の技術を採択したと発表した。硝酸性窒素は亜硝酸性窒素とともに、11年に地下水環境基準に追加された項目だが、施肥、生活排水、家畜排泄物など汚染源が多岐にわたることから、他の項目と比べ環境基準の超過率が高い。
今回の実証調査は、面的に広がりのある硝酸性窒素による地下水汚染がみられる地域で、実用化段階にある浄化技術の有効性・経済性を評価するとともに、浄化処理能力、稼働最適条件を検証するもので、(1)(株)ヒューエンスの「硝酸汚染地下水の固体触媒による浄化システム」、(2)東和科学(株)の「地域食品副産物を用いた原位置バイオレメディエーション」が採択された。
(1)は地下水を揚水し、固体触媒を充填した反応装置を通過させ、硝酸性窒素を窒素ガスなどに還元・除去した後、処理水を地下に注入するもの、また(2)は食品副産物を土壌中に供給して土着微生物の脱窒反応を促進させ、硝酸性窒素を原位置分解するもの。
これら採択技術に対しては、環境省から実証・評価のために必要な費用として、調査1件につき800万円が補助される。ただし技術の実証フィールドへの設置費用、撤去費用などは応募者が負担する必要がある。調査期間は19年2月まで。【環境省】