一般財団法人環境イノベーション情報機構
日本航空インターナショナル 貨物機の劣化ウラン製部品交換漏れ
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.06.19 【情報源】文部科学省/2006.06.15 発表
(株)日本航空インターナショナルは2006年6月15日までに、同社の劣化ウラン保有調査結果をまとめ、文部科学省に提出した。日本航空インターナショナルでは06年4月に、千葉県成田市の同社格納庫内に格納されていた貨物機1機の方向舵から、使用許可を受けていない劣化ウラン製の動翼バランスウエイトがみつかり、文部科学省が同社に、(1)この部品の取り外しと安全な保管管理、(2)劣化ウラン製部品が残っていた経緯や他の機体での劣化ウラン製部品使用状況の調査−−を要請していた。
今回の報告によると、劣化ウラン製の動翼バランスウエイトが残っていたのは、92年9〜10月に行われた動翼バランスウエイト交換作業時に、この部分の動翼バランスウエイトの交換が漏れていたため。取付部位や作業記録から、過去にこの部品がに搭乗者、整備従事者に放射線による影響を与えたことはないと考えられると説明している。
また、過去に劣化ウラン製動翼バランスウエイトが使用されていた他の機体については、全てタングステン製動翼バランスウエイトに交換が完了していたことが確認されたが、これ以外の部品では、1981年に導入されたグループ会社の機体1機に劣化ウラン製の操縦桿バランスウエイトが装着されていることがみつかったという。ただし、この操縦桿バランスウエイトについても、搭乗者らに放射線による影響を与えたことはなかったという判断が示されている。
日本航空インターナショナルは取り外した劣化ウラン製動翼バランスウエイトに関して、核燃料物質の使用許可の手続きを行うとともに、米国の部品取扱会社に引き渡す方針。また劣化ウラン製動翼バランスウエイトが取り付けられていた貨物機自体も既に運航を行っていないため、近々米国の航空機取扱会社に引き渡すとしている。
なお、報告を受けた文部科学省は、この調査結果と今後の対応を妥当であるとした。また、日本航空インターナショナル以外の他社についても定期航空協会などを通じた確認で、「劣化ウラン製部品が使われていない」という連絡を受けたことをあきらかにした。【文部科学省】