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環境ニュース[国内]

全ての川づくり事業を多自然川型に 「多自然型川づくりレビュー委員会」が提言

水・土壌環境 その他(水・土壌環境)】 【掲載日】2006.05.31 【情報源】国土交通省/2006.05.30 発表

 国土交通省の「多自然型川づくり(注1)レビュー委員会」は、平成18年5月30日までに「多自然川づくりへの展開−これからの川づくりの目指すべき方向性と推進のための施策」と題する提言をまとめた。
 旧建設省が治水機能と環境機能を調和させた多自然型川づくりの推進を施策として打ち出してから15年が経過した現在、多自然型川づくりの施工事例は全国で着実に定着してきているが、一方で、場所ごとの自然環境の特性への考慮を欠いた改修や他の施工区間の工法をまねただけの安易な川づくりもまだ多く見られる。
 今回の提言は、施工事例の分析などを通じ、(1)「多自然型川づくりとは何か」についての関係者の共通認識が形成されていない、(2)支援の仕組み、評価の仕組みが不十分、(3)市民参加や関係者の連携が不十分、(4)河川工学や生態学などの知識を備えた人材の育成体制が未整備−−などの課題を抽出するとともに、多自然型川づくりは、特別な事業の型ではなく、すべての川づくり事業の基本として展開していくことが必要であると指摘した。
 また、現在の課題を解消していくために、(一)個別箇所の多自然から河川全体の自然の営みを視野に入れた多自然へ、(二)地域の暮らしや歴史・文化と結びついた川づくりへ、(三)調査、計画、設計、施工から維持管理までの河川管理のすべての段階を視野に入れた多自然川づくりへ−−の3つの方向性を打ち出したほか、多自然型川づくりを評価する仕組みの設立、市民の参画の仕組みづくり、河道内樹木の管理方法体系化など、具体的な施策の内容を整理している。

(注1)今回の報告書では今後取組むべき「3つの方向性」を踏まえて、他自然型川づくりを「河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、河川が本来有している生物の生息・生育・繁殖環境、並びに多様な河川風景を保全あるいは創出するために、河川の管理を行うこと」と定義している。【国土交通省】

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