一般財団法人環境イノベーション情報機構
新宿御苑、植物園の生物多様性保全行動計画に公式登録
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2006.05.23 【情報源】環境省/2006.04.27 発表
環境省は100周年記念を迎えた新宿御苑を2006年4月28日付けで「植物園の保全活動に対する国際アジェンダ(行動計画)」に公式登録した。このアジェンダは、英国に本部がある植物園自然保護国際機構(BGCI)が植物園の生物多様性保全に対する役割や保全活動の枠組みを定めた文書で、02年開催の生物多様性条約第6回締約国会議で採択された「世界植物保全戦略」にも主要な貢献内容として位置づけられている。
(1)植物の種および遺伝的多様性の世界規模での喪失に歯止めをかける、(2)世界の自然環境の劣化阻止に全力を投入し、実践的行動をとる、(3)植物多様性の価値や脅威について市民の理解を高める、(4)現在と将来の世代のために世界の自然資源の持続可能な利用を推進する−−を植物園が果たすべき生物多様性保全への使命とし、アジェンダを活用して各植物園が(一)使命と能力に関する組織内の見直し、(二)現在の活動のチェック、(三)アジェンダに掲載された配慮項目にもとづく園の生物多様性保全実行計画の策定、(四)包括的で模範的な植物保全のための協働・協力関係の発展−−などを実施するよう呼びかけている。
06年4月28日時点でこの計画への登録を行っているのは、世界83か国の464機関に及び、日本では東北大付属植物園、東京大付属植物園、国立科学博物館筑波植物園、東山植物園など新宿御苑を含めると11園が登録を行っている。
なお毎年約100万人以上が入園する新宿御苑はこれまでにも、絶滅のおそれがある植物82種、「種の保存法」に基づく国内希少野生植物5種(アマミデンダ、ムニンツツジ、ムニンノボタン、ハナシノブ、オキナワセッコク)の生育域での保全栽培に取組んできた。【環境省】