一般財団法人環境イノベーション情報機構
農家3,881戸中29戸で農薬の不適正使用が判明 16年度調査結果
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.05.09 【情報源】農林水産省/2006.05.08 発表
平成16年度に農林水産省が実施した、農薬使用状況調査と産地段階での農産物への農薬残留状況調査の結果が18年5月8日までにまとまり、公表された。このうち農薬使用状況調査は、農産物販売農家3,881戸に記録してもらった「農薬使用記録簿」の内容をもとに、その農薬を使った農作物、農薬使用量、希釈倍数、使用時期、使用回数を調べたもの。
結果としては調査対象農家の0.7%にあたる29戸の農家で不適正使用が認められたが、15年度の80戸 (調査対象農家の2.1%)よりは減少していた。
なお不適正使用の内容は、(1)ラベルに表示された適用農作物を確認せずに農薬登録上適用がない農作物に使用していたケースが5件、(2)ラベルの確認不足などにより、規定希釈倍数よりも濃い濃度で使用したケースが5件、(3)ラベルの確認不足や誤認により使用時期を誤ったケースが2件、(4)農薬使用後の経過日数を確認しなかったり、誤ったりしたケースが7件、(5)同一の病害虫に同一農薬を繰り返し使用し、有効成分の総使用回数を超過したケースが3件、(6)同一の有効成分を含有する農薬を数種類使用し、有効成分の総使用回数を超過したケースが8件だった。
一方、農薬残留状況調査では、野菜・果実558点、茶124点について残留農薬を分析したが、残留農薬基準や登録保留基準を超過した試料はなかったという。
農林水産省ではこの結果を都道府県などに通知し、農薬の適正使用を農家に指導する際に活用してもらうとしている。【農林水産省】