一般財団法人環境イノベーション情報機構
15農薬の食品を通じた一日摂取量、許容量の0.08〜27.31%に
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2006.04.19 【情報源】厚生労働省/2006.04.18 発表
厚生労働省は平成18年4月18日までに、14年度に実施した農産物、畜産食品中の残留農薬検査の結果と、15年度に実施した食品中の残留農薬の一日摂取量調査の結果をまとめ、公表した。このうち農産物・畜産食品中の残留農薬検査は、91自治体が実施した検査結果、検疫所での検査結果、厚生労働省の依頼により地方衛生研究所が調査した結果を集計したもの。
320農薬を対象にした農産物検査91万989件の結果では、3,282件(0.36%)で残留農薬が検出され、うち、基準が設定されていた38万1,881検査中110件(0.03%)で基準超過がみつかった。この110件のうち国産品は27件(0.02%)、輸入品が83件(0.03%)。
農薬種別では、国産品ではシラフルオフェン(検出数11件、試験数の6.11%)、輸入品ではイマザリル(検出数105件、試験数の33.33%)の検出割合が最も高かった。
一方、33農薬を対象にした畜産物検査3,321件の結果では、22件(0.66%)に残留農薬が検出されたが、いずれも基準超過事例はなかった。
また市場で流通している農産物を購入し、調理後に15農薬についての化学分析を実施し、農薬摂取量を調べた「残留農薬の一日摂取量調査」では、農薬ごとの推計一日摂取量(注1)は許容一日摂取量(ADI 注2)の0.08〜27.31%とされ、いずれもADIを大きく下回っていることから、現在の摂取状況は安全上問題はないという結論が示されている。
(注1)検出が確認された農薬は9農薬だったが、一日摂取量推計にあたっては、農薬が検出されなかった食品群についても、検出限界の20%の農薬が残留していると仮定した。
(注2)人が一生涯にわたって毎日摂取し続けても、健康に影響をおよぼさないと判断される量。1日当たりの体重1キログラムに対する質量として表される。【厚生労働省】