一般財団法人環境イノベーション情報機構
外来生物法の規制対象生物22種類を確認 16年度「河川水辺の国勢調査」
【自然環境 生物多様性】 【掲載日】2006.03.24 【情報源】国土交通省/2006.03.24 発表
国土交通省では平成16年度に実施した「河川水辺の国勢調査」の結果をまとめ、18年3月24日に公表した。この調査は2年度から実施されているもので、全国の河川と管理ダムでの生物調査、利用実態調査などが主な内容となっている。
今回は一級108水系123河川、二級31水系31河川と96の管理ダムで生物調査を実施。日本に生息する種(注1)のうち、淡水魚・汽水魚の約71%、鳥類の約50%、両生類の44%、植物の37%、哺乳類の35%、陸上昆虫類の34%を確認した。
この中には、(1)佐賀県の六角川で環境省レッドリストの絶滅危惧1A類(ごく近い将来に絶滅の危険性がきわめて高い種)に指定されているニッポンバラタナゴを確認したことをはじめ、全国の24河川2ダムで絶滅危惧1A類、1B類(近い将来に絶滅の危険性が高い種)の魚類計12種を確認した、(2)魚類を調査した65河川のうち、東北地方以南の39河川で、絶滅危惧2類(絶滅の危険が増大している種)であるメダカを確認した−−という明るいニュースが含まれている。
しかし一方では、(3)外来種の確認種数が哺乳類種数で13.8%、爬虫類種数で13.3%、植物種数で12.9%と、いずれも15年度(注2)の11.0%、6.3%、10.9%より増加傾向にあること、(4)全国で外来生物法の規制対象生物22種類を確認したこと−−も報告されている。
特に外来生物法の規制対象種オオクチバス(ブラックバス)については、調査対象河川の約5割、対象ダムの4割で確認したとされ、「同一水系の下流から上流までの広い範囲で確認されることも多く、このようなところでは完全に定着している」との推測が示されている。
(注1)植物と鳥類を除く調査項目は「日本産野生生物目録」の種数、植物は「植物目録」の維管束植物の種数、鳥類は「日本鳥類目録改訂第6版」の種数をもとにしている。
(注2)16年度と15年度ではそれぞれの調査項目について調査を行った河川が異なるため、単純な比較はできない。【国土交通省】