一般財団法人環境イノベーション情報機構
17年の光化学オキシダント被害届出人数、過去10年間で最多の1,495人に
【大気環境 大気汚染】 【掲載日】2006.01.31 【情報源】環境省/2006.01.31 発表
環境省は都道府県からの報告をもとにまとめた、平成17年の光化学オキシダント注意報の発令状況、光化学大気汚染によると思われる被害届出状況を18年1月31日に発表した。17年は21都府県で光化学オキシダント注意報の発令があり、発令延べ日数は16年の189日とほぼ同じ185日だったが、光化学大気汚染によると思われる被害届出人数は16年の393人より激増し、過去10年間で最も多い1,495人となった。
注意報発令日の月別件数では7月の68日が最も多かったが、光化学オキシダントの最高濃度記録は8月5日に千葉県市原地域で記録された0.258ppmが最も高かった。光化学オキシダント濃度の昼間の日最高1時間値の年平均値は近年漸増の傾向にあるという。
環境省ではこれらの結果を踏まえて、光化学オキシダントの主な原因物質である窒素酸化物と揮発性有機化合物(VOC)の排出抑制対策に取り組む方針。
窒素酸化物対策としては、大気汚染防止法や自動車NOx・PM法に基づき従来からの発生源対策に努めるとしている。なおVOCについては、16年5月に公布、18年4月に完全施行される改正・大気汚染防止法の中で、規制と事業者の自主的取組みを組合せて排出抑制を行うとの方針が盛り込まれており、排出量が多い施設に対し、都道府県知事への届出義務・排出基準遵守義務が課されることになる。【環境省】