一般財団法人環境イノベーション情報機構
福島第一、第二原発コンクリートの東電報告 「膨張促進試験・圧縮強度試験とも問題なし」
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2006.01.25 【情報源】原子力安全・保安院/2006.01.25 発表
東京電力(株)は、福島第一、第二原発の建物・構築物に使われているコンクリートについて膨張促進試験と圧縮強度試験を実施した結果、全ての試験箇所で安全上問題のない結果が得られたとする報告書をまとめ、平成18年1月25日付けで原子力安全・保安院に提出した。福島第一、第二原発では16年に、建設に携わった骨材製造会社が、建設当時にコンクリート用骨材の品質を保証するアルカリ骨材反応性試験(注2)の不正を行っていたことが判明したが、その後17年2月に保安院が「同原発のコンクリートはアルカリ骨材反応に対して健全な状態である」との健全性評価結果を発表していた。
コンクリート膨張促進試験・圧縮強度試験の実施は、健全性評価発表時に保安院が東電に念のために指示していたもので、膨張促進試験はコンクリートコアサンプルをアルカリ骨材反応が起こりやすい環境下に置いた上で膨張率を計測し、アルカリ骨材反応の起こりにくさを調べる試験。一方、圧縮強度試験はコンクリートコアサンプルに荷重を加え、その圧縮強度を調べる試験。
(注1)骨材に含まれる反応性シリカ鉱物や炭酸塩岩がコンクリート中のアルカリ性水溶液と反応し、コンクリートのひび割れ現象(アルカリ骨材反応)を発生させないよう、あらかじめ骨材の反応性を測る試験。【原子力安全・保安院】