一般財団法人環境イノベーション情報機構
東北電力が女川2号機に関する耐震安全性分析・評価結果を保安院に報告
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.11.25 【情報源】原子力安全・保安院/2005.11.25 発表
平成17年8月16日に発生した宮城県沖地震の際の女川原子力発電所(宮城県牡鹿郡女川町・石巻市)の観測データの中に、設計時に想定した以上の揺れがあったことを示す内容が含まれていたことを踏まえ、東北電力(株)は17年11月25日、女川原発2号機の耐震安全性の詳細評価、設計時に想定した以上の揺れが記録された詳細な分析・評価の結果を原子力安全・保安院に提出した。女川原子力発電所は17年8月16日の地震発生時に通常運転を行っていたが、地震の影響により同日11時46分に1号機、2号機、3号機が自動停止した。
東北電力が17年9月に発表した内容によると、岩盤表面で観測された地震動による加速度応答スペクトル(設備にどのような揺れを生じさせるかをグラフに示したもの)を周期ごとに算定したところ、周期0.05秒付近の揺れの大きさが、設計上の限界として想定している「基準地震動S2」を超えていたほか、周期0.02〜0.1秒、0.4秒付近でも過去の地震から算定した「基準地震動S1」を超えた部分があったとされている。
今回の報告は、評価対象を2号機に限定したもので、(1)2号機の安全上重要な設備は今回の地震に対して耐震安全性が維持されていた、(2)宮城県沖近海のプレート境界に発生する地震の特徴である短周期成分の卓越が、今回の地震で顕著であったことが、周期によっては基準地震動の応答スペクトルを超えることとなった要因と考えられる、(3)近い将来高確率で発生が予想される宮城県沖地震に対する地震動と、限界的なプレート境界地震・最大規模のスラブ内地震を踏まえた地震動(安全確認地震動)を策定し、これらの地震動による2号機の建屋・機器の耐震安全性の評価を結果では、耐震安全性が十分確保されることが確認された−−という内容が報告されている
なお、3号機と1号機の分析・詳細評価結果は、今後まとまり次第、東北電力が保安院に報告する予定。【原子力安全・保安院】