一般財団法人環境イノベーション情報機構
違法伐採対策を強化した2か年事業計画を承認 決議案第39回ITTO理事会
【地球環境 森林の減少】 【掲載日】2005.11.22 【情報源】林野庁/2005.11.21 発表
2005年11月7日から12日にかけ、横浜市・パシフィコ横浜で第39回国際熱帯木材機関(ITTO)理事会が開催された。ITTOは熱帯林保有国の環境保全と熱帯木材貿易の促進を両立させることによって、熱帯林を持つ開発途上国の経済的発展に寄与することを目的とした機関で、持続可能な森林経営に関する政策立案活動と造林・森林経営、林地復旧、人材養成などの具体的なプロジェクト活動を行っている。
今回の理事会には、熱帯木材生産国、消費国双方のの加盟国40か国とEUの代表のほか、オブザーバーとして関係国際機関、木材業界団体、環境NGOらが参加。
(1)ワシントン条約(CITES)の附属書掲載提案、(2)1994年熱帯木材協定(注1 ITTA1994)の改定交渉、(3)「ITTO目標2000(注2)」に関する報告、(4)ITTO2か年業務計画、(5)ITTOフェローシップ・プログラム、(6)プロジェクトと提案決議案の承認−−が議題にのぼった。
このうち、CITESの附属書掲載提案に関しては、インドネシアからマメ科の広葉樹・太平洋鉄木(学名ではIntsia bijugaとIntsia palembanicaの2種)について附属書3(注3)への掲載を提案したい旨の発言があった。
また、ITTO目標2000に関しては、メキシコに対して行われた支援についての調査報告や「熱帯林経営の現状報告」に関する進歩状況の報告が行われた。
さらにプロジェクトと提案決議案に関しては、12件の新規プロジェクトが承認されたほか、14件のプロジェクトとフェローシップ・プログラムについての拠出が決議された。このうち日本はパプアニューギニアの「持続可能な森林経営」やメキシコの「熱帯林経営のための基準・指標」プロジェクトなどに対し、402万1,000ドル(外務省347万7,000ドル、林野庁54万4,000ドル)の拠出を決定。また事務局より、違法伐採対策強化策を盛り込んだ「06年−07年の2か年事業計画」決議案が提案され、承認された。
(注1)熱帯木材に関する国際商品協定。他の商品協定と異なり、価格規制枠組みや市場介入政策を伴わず、木材の貿易と保全の両方に重点を置く。97年に発効した現在の「94年協定」の有効期間は06年12月まで。
(注2)91年にITTO理事会が採択した目標で、国際取引される熱帯木材の全てを00年までに持続可能な経営が行われている森林から生産されるものにするとしていた。00年開催の理事会で目標未達成が確認されたため、その後も期限を区切らず達成に取り組むことが決議された。
(注3)各締約国が自国内での捕獲・採取を防止するため国際取引規制を行う種。輸出時に輸出国の輸出許可証が必要。【林野庁】