一般財団法人環境イノベーション情報機構
台湾の不正漁業に厳しい措置決まる ICCAT第19回通常会合
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.11.22 【情報源】水産庁/2005.11.21 発表
2005年11月14日から20日まで、大西洋まぐろ類保存国際委員会(ICCAT)第19回通常会合がスペインのセビリアで開催された。今回の会合では(1)台湾の不正漁業問題、(2)漁獲物の転載規制、(3)合意内容の遵守問題、(4)クロマグロ蓄養(注1)の管理強化−−などが議題となった。
このうち、台湾の不正漁業問題では、台湾のメバチ専業船隻数を05年の98隻から06年には15隻に減船すること、メバチ漁獲枠も、05年の1万6,500トンから、06年にはビンナガ対象船のメバチ混獲枠と併せて4,600トンに削減することが決まった。
さらにメバチ専業船に対して全船のオブザーバー乗船、指定港での水揚げ検査、洋上転載(注2)禁止などの厳しい監視・取締措置が求められたほか、IUU(違法、無報告、無規制)漁業の廃絶、過去の不正漁獲の調査・処分、減船隻数の上乗せ、小型まぐろ漁船の減船などの条件が付けられ、これらの条件を台湾側が満たさなかった場合、06年年次会合で貿易制限措置が課されることになった。
また、漁獲物の転載規制に関しては、転載を受ける運搬船をICCAT事務局に登録することにし、(一)港湾で転載する場合は、漁船の旗国(漁船の船籍がある国)と港湾国への事前通報、事後報告、(二)公海で洋上転載する場合は、漁船の旗国の事前許可制とし、事前通報、事後報告に加え、ICCATが派遣するオブザーバーの運搬船への乗船・監視−−が義務付けられることになった。
クロマグロ蓄養の管理強化については、事前にリストに掲載された漁船以外から蓄養場に魚を搬入すること、ICCATに登録された正規の蓄養場以外の蓄養場からクロマグロを輸入することが禁止されることとなった。
(注1)産卵後のクロマグロを捕獲、飼育し太らせてから出荷する事業。市場に水揚げされないため、正確な漁獲量データの収集に大きな悪影響を与えると指摘されている。
(注2)台湾船の違法漁獲手法の1つとして、IUU漁船の漁獲物を運搬船に転載する際に、正規漁船の漁獲物として漁獲海域・船名を虚偽記載する方法が行われている。【水産庁】