一般財団法人環境イノベーション情報機構
鳥インフルエンザ感染経路究明チームが中間報告書公表 人を介した感染更に調査へ
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.11.10 【情報源】農林水産省/2005.11.10 発表
2005年10月末から11月にかけ、茨城県の3養鶏場で弱毒性鳥インフルエンザウイルスの抗体陽性が確認された件に関係して、農林水産省は05年11月10日、食料・農業・農村政策審議会家きん疾病小委員会を開催し、(有)キミシマファーム、愛鶏園木部農場での感染時期推定のため検査推進、森屋農場での感染経路特定のための人や車両の出入り調査実施−−などの対応策を決めた。また、同じ11日には高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チームも中間報告書を公表。
この中間報告書は、05年に茨城県・埼玉県の31農場で分離されたH5N2亜型ウイルス(注1)が、グアテマラで00〜02年に分離された株やメキシコで05年に分離された株ときわめて近く、中米型のものであることを報告。
中米から日本に直接飛来する野鳥が知られていないこと、メキシコやグアテマラからの家きん類輸入が停止されていることなどから、渡り鳥や輸入鳥類、輸入家きん肉を介した感染の可能性が低いと推定した一方で、中米型ウイルスそのものか、中米由来のウイルス株から作出された未承認ワクチンが人を介して持ち込まれた可能性について、さらに調査する必要があると指摘している。
(注1)鳥インフルエンザウイルスはたんぱく質の違いからA・B・C型の3つに分類され、A型ウイルスはさらにウイルスの表面に存在する突起上のH(赤血球凝集素)とN(ノイラミニダーゼ)に対する抗体の型で分類されている。HではH1〜15の15型、NではN1〜9の9型が知られている。【農林水産省】