一般財団法人環境イノベーション情報機構
魚介類によるメチル水銀摂取「妊婦向け注意事項」見直し案への意見募集結果公表
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.11.10 【情報源】厚生労働省/2005.11.10 発表
厚生労働省は平成17年8月22日から9月21日まで実施していた、魚介類を通じてのメチル水銀摂取に関する「妊婦向け注意事項」見直し案への意見募集結果をまとめ、17年11月10日に公表した。この見直し案は、FAO/WHO合同食品添加物専門家会議(JECFA)が水銀に関する暫定的耐容週間摂取量(生涯にわたり摂取し続けても健康影響が現れない1週間あたりの摂取量)が引き下げられたことに対応したもので、胎児のメチル水銀耐容週間摂取量を週、体重1キログラムあたり2.0マイクログラムと結論した17年8月の内閣府食品安全委員会の食品健康影響評価結果を踏まえて、バンドウイルカなど水銀含有量が比較的高い魚介類の摂取量、摂食頻度などを改めてアドバイスしたもの。
具体的には各魚介類の摂食量が1回約80グラムとして、バンドウイルカについては2か月に1回まで、コビレゴンドウは2週間に1回まで、キンメダイ、メカジキ、クロマグロ、メバチ、エッチュウバイガイ、ツチクジラ、マッコウクジラは週に1回まで、キダイ、クロムツ、マカジキ、ユメカサゴ、ミナミマグロ、ヨシキリザメ、イシイルカは週に2回までを妊婦の摂食頻度の目安としていた。
この案について寄せられた意見は11件あり、意見にはたとえば「摂食量を80グラムとして算出することは、対象である妊婦の摂食実態を反映していないのではないか(日本鰹鮪漁業協同組合連合会)」、「小児や一般人についても注意喚起を行うべきではないか(日本生活協同組合連合会)」といった内容があり、これらの意見に対して、「注意事項は実際に摂食する切り身1切れの重量を基にしている」、「食品健康影響評価では、小児と成人はメチル水銀が排泄されること、セイシェル共和国での研究事例でメチル水銀の影響が証明できなかったことが示されている。またこの食品健康影響評価で一般人は評価対象となっていないため、小児や一般の人に注意する必要性はないと考えている」との考えが示されている。【厚生労働省】