一般財団法人環境イノベーション情報機構
鳥インフルエンザウイルス 感染経路解明のためメキシコに専門家3名を派遣へ
【自然環境 野生動植物】 【掲載日】2005.10.11 【情報源】農林水産省/2005.10.07 発表
茨城県・埼玉県の31養鶏場で弱毒性鳥インフルエンザウイルスの抗体陽性が確認された件に関係して、農林水産省は平成17年10月7日、食料・農業・農村政策審議会家きん疾病小委員会と高病原性鳥インフルエンザ感染経路究明チーム検討会の合同会議を開催し、感染経路や弱毒タイプの特性を踏まえた今後の防疫指針について検討を行った。会議では、31農場で分離されたウイルスがメキシコで05年に分離されたH5N2亜型ウイルス(注1)と近く、中米型のものであること、渡り鳥や輸入鳥類、輸入家きん肉を介した感染の可能性が低く、旅行者を介した感染や不法ワクチン持ち込みによる感染可能性についてさらに調査する必要があること−−が指摘され、これらの指摘を踏まえた検討の結果、メキシコに専門家3名を派遣し、同国内でのワクチン接種状況、鳥インフルエンザ発生状況を詳細に調査することが了承された。
なお感染経路についてのこれまでの調査結果は10月中をめどに、中間とりまとめがまとめられる予定。
一方、今後の防疫指針については、鳥インフルエンザウイルス全国一斉監視調査の成果を踏まえ、各家畜保健衛生所が毎月、1農場をモニタリングするという現行のモニタリングに加え、年1回、都道府県内飼養羽数1,000羽以上の全採卵鶏農場を検査することなどが決まった。
(注1)鳥インフルエンザウイルスはたんぱく質の違いからA・B・C型の3つに分類され、A型ウイルスはさらにウイルスの表面に存在する突起上のH(赤血球凝集素)とN(ノイラミニダーゼ)に対する抗体の型で分類されている。HではH1〜15の15型、NではN1〜9の9型が知られている。【農林水産省】