一般財団法人環境イノベーション情報機構
沖縄県宮古島でバイオマスエタノール製造・利用実証試験を実施へ
【大気環境 交通問題】 【掲載日】2005.10.04 【情報源】環境省/2005.10.04 発表
環境省は、沖縄県宮古島で、サトウキビを原料としたバイオマスエタノールの製造・利用実証試験事業を実施することにし、平成17年10月7日から試験に必要なバイオマスエタノール生産設備の建設に着手する。この事業は、沖縄産サトウキビの糖蜜を原料にした燃料用バイオマスエタノールの高効率生産技術を開発するとともに、実証プラントでのバイオマスエタノール生産、バイオマスエタノール3%混合ガソリン(E3)の製造、E3を使った自動車走行利用までを実施するもの。
当面はE3製造に使うバイオマスエタノールを島外から調達し、沖縄県宮古支庁と宮古島市の公用車50台を使って走行試験を実施する予定だが、バイオマスエタノール生産実証プラントの建設・試運転が終わる17年度末以降は、沖縄産糖蜜から生産されたエタノールからE3を製造。対象車両も拡大し、走行試験を展開していく計画だ。
植物バイオマスの燃焼時に放出されるCO2は、光合成により大気中から吸収したCO2の再放出であり大気中のCO2を増加させないと京都議定書で位置づけられているため、ガソリンに混合することにより、自動車から排出されるCO2の削減効果が期待できる。ガソリンの全てをE3に代替した場合には、CO2換算にして沖縄県全体で2.5万トン、全国で約250万トンのC02が削減できると見込まれている。
宮古島は沖縄本島から南西約300キロメートルの位置にある島で、広大なサトウキビ畑や美しい海岸、国内最大級の珊瑚礁群「八重干潮(ヤビジ) 」など豊かな自然に恵まれている。【環境省】