一般財団法人環境イノベーション情報機構
「アスベスト問題への当面の対応」が再改訂 救済制度の基本的枠組み示される
【健康・化学物質 有害物質/PRTR】 【掲載日】2005.09.30 【情報源】首相官邸/2005.09.29 発表
2005年9月29日に、第3回アスベスト問題に関する関係閣僚による会合が開催され、政府が過去に行ったアスベスト対策についての検証の精査が行われるとともに、17年8月26日の第2回会合で改定された「アスベスト問題への当面の対応」が再改訂された。このうち政府の過去の対策の検証結果は、(1)クロシドライト(青石綿)の使用全面禁止が1995年と、英独仏での使用全面禁止から約10年遅れたことについて、世界的な動向を見ながら実施するという配慮が欠けていたと分析したほか、(2)大気汚染防止法の改正による規制制度導入が1989年まで行われなかったことについては、旧環境庁が所管する環境対策の範囲を、汚染物質の工場外排出防止のみに限定するという認識が強く、総合的な視点でのアスベスト対策の展開が遅れたと指摘した。
「アスベスト問題への当面の対応」再改訂については、前回の改定で示された、労災補償を受けずに死亡した労働者、家族、周辺住民の救済新法の策定に関連して、医療費や遺族一時金支給など救済のための給付金の内容、給付金の財源をアスベスト被害に関係する事業者から拠出してもらうこと、救済措置実施主体としての独立行政法人環境再生保全機構や保健所の活用−−など、救済制度の基本的枠組みが明らかにされた。
また、関係省庁間の連携不足により、アスベストの有害性情報が全省庁に共有化されていなかったという反省に立ち、国際条約による規制動向について情報交換を行う「有害化学物資に関する関係省庁連絡会議」(仮称)を早期設置する方針も示された。【首相官邸】