一般財団法人環境イノベーション情報機構
金属キャスクを用いる使用済燃料貯蔵施設に係る技術要件案への意見募集開始
【エネルギー 原子力】 【掲載日】2005.09.06 【情報源】原子力安全・保安院/2005.09.05 発表
原子力安全・保安院は平成17年9月5日、使用済燃料貯蔵事業の事業許可を行うための安全審査で審査される技術要件をまとめた「金属キャスク(注1)を用いる使用済燃料貯蔵施設に係る技術要件」案を公表し、この案について17年10月5日まで意見募集を行うことにした。この技術要件案は、12年12月に金属キャスクを使った使用済燃料貯蔵施設の技術要件をまとめた「使用済燃料貯蔵施設(中間貯蔵施設)に係る技術検討報告書」の内容に、16年にまとめられた、「コンクリートキャスクを用いる使用済燃料貯蔵施設の安全審査に係る技術要件」で示された新知見を反映したもの。
「コンクリートキャスクを用いる使用済燃料貯蔵施設に係る技術要件」と同様の構成をとり、(1)基本的立地条件、(2)平常時を想定した立地条件、(3)事故時を想定した立地条件、(4)密封機能、(5)遮へい機能、(6)臨界防止機能、(7)除熱機能、(8)放射線業務従事者の被ばく管理、(9)放射性廃棄物の処理・放出管理、(10)放射線監視、(11)使用済燃料に関する考慮、(12)金属キャスクの内部空間の雰囲気に対する考慮、(13)金属キャスクの取扱に対する考慮、(14)火災・爆発に対する考慮、(15)電源喪失に対する考慮、(16)共用に対する考慮、(17)地震に対する考慮、(18)地震以外の自然災害に対する考慮、(19)事故時に対する考慮、(20)検査修理に対する考慮(21)準拠規格・基準−−の21の要件がまとめられている。
このうち、新たに導入されたコンクリートキャスクの技術要件と共通する事項としては、(一)使用済燃料被覆管の機械的特性が貯蔵中に劣化しないという、使用済燃料の健全性維持項目の追加、(二)地震時の転倒防止項目の追加・耐震上の重要度分類の記述、(三)貯蔵エリアの排気口での放射性物質濃度等の監視項目の追加−−などがある。
また、要件の運用にあたって参考となる事項や、審査の際に着目すべき技術的ポイント、判断する上で参考となる事項をまとめた「考慮すべき事項」を参考資料として付している。
意見は郵送、FAX、電子メールで受付けている。
(注1)使用済燃料を貯蔵・輸送するために収納する金属製容器。キャニスタ(密封機能)とコンクリート製貯蔵容器(遮へい機能)が分離できるコンクリートキャスクとは異なり、使用済燃料を入れた部分と遮へい体が一体構造となっている。【原子力安全・保安院】